新幹線と近鉄特急の強み・弱み
東海道新幹線について
長所:速い!
東海道新幹線は新大阪-名古屋間をのぞみ号で約50分で結んでおり、速達性に優れています。
車両にはN700AもしくはN700Sが用いられており、シンプルながらも清潔感のある車内となっています。
短所:高い!
速達性に優れた東海道新幹線ですが、価格が高いのが唯一の難点です。ですが、おトクな乗車券によりコスパ良く移動することもできます!最後まで読んでみてください。
近鉄特急について
長所:安い!
近鉄特急は、正規運賃で乗っても新幹線より2,000円以上安くなるので、安く移動したいときには重宝します。
使用車両は最新型「ひのとり」80000系、「アーバンライナープラス」、「アーバンライナーネクスト」の三種類です。「ひのとり」は最新型にふさわしい機能的かつ上質な内装に定評があり、毎時1本の速達型で運用されています。
短所:遅い!
コスト的に優れた近鉄特急ですが、大阪ミナミの玄関口である大阪難波・鶴橋-近鉄名古屋間を所要時間2時間~2時間半程度で結んでおり、所要時間が新幹線より1時間ほど長くなっています。また、本数が1時間に2~3本と少ないのもデメリットです。
価格の安さ以外にも、近鉄特急を選ぶ価値はあるのでしょうか?
実は近鉄特急の利用価値は、贅沢すぎる「ひのとり」プレミアムシートの車内にあります。
新幹線vs近鉄特急の比較
比較①:速達性・利便性
各列車の1時間あたりの本数、所要時間および終電時刻を一覧表で示します。
・所要時間に2倍ほどの差
新幹線のぞみ号は49分、アーバンライナーは2時間5分であり、1時間16分もの差があります。
・のぞみ号の本数が圧倒的に多い
のぞみ号および速達型のひかり号(途中停車駅:京都のみ)は、1時間で最大12本、平日の昼間でも4本以上運行されており、毎時最大3本運行の近鉄特急と比較すると、本数の差は歴然としています。
・新幹線は終電が遅い
近鉄特急の終電が21:30であるのに対し、新幹線のぞみ号の終電は、新大阪方面が22:58、名古屋方面が22:30となっています。
比較②:快適性
快適性について、独断と偏見でS>A>B>Cランクまでランク付けしております。近鉄特急ひのとりのプレミアムカーに最高ランクSをつけています。
東海道新幹線(N700S・N700A)の車内
東海道新幹線の車両は、N700Aまたは最新型車両N700Sにより運行されています。両形式はデビュー時期に差はあれど、座席設備の外観に大きな差はありません。新幹線は軌道が安定しているため高速走行時でも揺れにくいのがいいところです。
・普通車(ランクC)
普通車座席は、2+3席配置のリクライニングシートです。シンプルですが、1時間程度の移動であれば十分快適に過ごせます。コンセントは従来型のN700Aは窓側席および車両の両端に、最新型N700Sは全席に装備されています。
・グリーン車(ランクA)
グリーン車座席は、2+2席配置の重厚感のあるシートです。床には厚いカーペットが敷かれており、高級感だけでなく静粛性を発揮しています。さらに、のぞみ・ひかり号のグリーン車では肉厚なおしぼりが配布されます。
・Swork車両で仕事捗る
東海道新幹線の7号車は、ビジネスを進めやすい環境が整った「Swork車両」に設定されています。PC作業、座席に座りながらの通話が可能です。
・ビジネスブース
N700Sの一部編成においては、7号車と8号車の間にビジネスブースが導入されております。ブース内は完全な個室で遮音されており、大きな作業机もあるため、ビデオ会議や資料を広げての作業がはかどります。
近鉄特急ひのとりの車内
近鉄の名阪特急の車両は、最新型「ひのとり」80000系もしくは「アーバンライナー」21000系の2形式により、30分間隔でほぼ交互に運行されています。その中でも、毎時1本運行されている特急「ひのとり」はくつろぎのアップグレードをコンセプトとしており、これまでの特急列車にないような上質な車内空間となっています。車内設備には、日本唯一の挽きたてコーヒーマシン、軽食が買える自動販売機、大きなキャリーバックが入れられるロッカーなどがあり、東海道新幹線にはない独特な設備が魅力です。
・レギュラーカー(ランクB)
ひのとり新幹線でいう普通車にあたるのがレギュラーカーで、座席は2+2列の配置です。全席にコンセントが装備されております。普通車にも関わらずバックシェルがついており、プライベート感が確保されるとともに、後ろを気にせずにリクライニングを倒すことができます。
・プレミアムカー(ランクS)
プレミアムカーの座席は、新幹線のグランクラスや飛行機のファーストクラスに匹敵するような超豪華なものとなっています。詳細を知りたい方は以下の記事から!
近鉄特急アーバンライナーの車内
アーバンライナーで使用される21000系は、名阪特急の看板列車として1988年にデビューし、ひのとりの登場まで第一線で活躍していました。経年数は長いものの改造により、LCD行先案内表示や無料Wi-Fiが装備されています。
・レギュラーカー(ランクC)
スタンダードな2+2列配置です。新幹線普通車にはないフットレストが付いています。コンセントはありません。
・デラックスカー(ランクA’)
座席が1席づつ独立した2+1列配置です。プライベート感があります。登場から30年が経過しているとはいっても居住性の良さは健在です。なお、一部車両にはコンセントが装備されていますが、時刻表に記載はなく、引き当てるには運任せです。
比較③:料金
下の一覧表は、新幹線と近鉄特急の価格、所要時間をまとめています。
・近鉄特急ひのとりは新幹線普通車より1000円以上おトク
正規料金で比較すると、新幹線普通車指定席は6680円ですが、ひのとりのレギュラーカーは4990円、プレミアムカーでも5690円と、大きな価格差があります。豪華なプレミアムカーで移動しても新幹線に比べて1000円以上節約できるのは、近鉄特急の大きな魅力です。
・ぷらっとこだまでコストと速達性を両立
JR東海ツアーズの「ぷらっとこだま」は、前日22時までに予約すれば、こだま号を割引価格で利用できる(通常6680円が5000円に)旅行商品です。こだま号の所要時間は1時間8分で、のぞみ号より約20分長いものの、近鉄特急と比較して1時間以上短縮されます。
・EX予約で割引特典を受ける
エクスプレス予約とは、東海道・山陽新幹線のインターネット予約サービスのことです。年会費1100円で、通常料金より310円安く(通常期:新大阪~名古屋)乗車できます。また、EX早得などの割引商品があること、列車、座席を無料で何度でも変更できることが大きなメリットです。
・近鉄特急は株主優待券を使えばおトク
近鉄の大阪難波から名古屋までの乗車券は通常2860円ですが、株主優待券を使用すると、よりおトクになります。株主優待乗車券は金券ショップやフリーマーケットアプリで、1500円から2000円で販売されており、通常価格よりも500円から1000円程度安く乗車券を購入できます。有効期限が設けられていますが、年間を通して市場に出回っているため、入手は比較的容易です。
まとめ
近鉄特急も東海道新幹線も利便性においては一長一短です。それぞれのおトクになるシチュエーションについてまとめます。
近鉄特急がおトクになるシチュエーション
近鉄特急のメリット
1.価格が大幅に安い 2.ひのとりプレミアムシートが快適すぎるのに新幹線より安い 3.ひのとりは全席コンセント装備 4.近鉄沿線、大阪ミナミが目的地の場合は利用価値あり。
近鉄特急のデメリット
1.本数が少ない(ひのとり(速達タイプ)毎時1本、アーバンライナー(停車駅多め)毎時1本) 2.所要時間が長い 3.終電が早い 4.大阪キタが目的地の場合は所要時間がさらに伸びる
近鉄特急がオススメの人
1.時間がある →所要時間は1時間ほど長くても、大幅に安く移動できます。 2.近鉄沿線、大阪ミナミ発着 →新幹線の発着する新大阪駅に行くよりも、大阪難波、鶴橋を通る近鉄特急に乗った方がコスパよし。 3.とにかく贅沢な空間で移動したい →新幹線グリーン車よりもワンランク上のひのとり「プレミアムシート」がオススメ。
東海道新幹線がおトクになるシチュエーション
東海道新幹線のメリット
1.速い 2.本数が多い 3.運行時間帯が長い 4.遅延が少ない 5.揺れが少ない 6.ぷらっとこだまを活用すれば、近鉄特急の正規料金並みになる
東海道新幹線のデメリット
1.圧倒的に高い 2.夕方~夜にかけての下りこだま号(名古屋→新大阪)の本数が少ない 3.普通車は窓側・車両端部以外コンセント無し(N700Sのぞく) 4.ひのとりほどの豪華さはない
新幹線がオススメの人
1.素早く移動したい →「のぞみ」なら約50分で毎時最大12本運行 2.出発時間が朝早いor夜遅い 3.大阪キタ発着 →近鉄特急の運賃は安価ですが、大阪キタエリア(梅田など)から大阪難波、鶴橋まで行くには時間がかかってしまいます。 4.予定が決まっている&時間に余裕がある →「ぷらっとこだま」を活用することで、のぞみ号より20分弱しか変わらないのに大幅に安く済ますことができます。
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