序論
新宿から甲府・松本方面を結ぶ特急あずさ・かいじ号は、速達性・快適性に優れており、多くの人に利用されています。2019年に全編成がE353系に統一されたのを機に、全車両指定席となり、独自の特急料金が採用されました。
特急列車「あずさ」の新宿⇔松本の特急料金(普通車)の定価は2,550円ですが、まさかマジメに券売機に並んで特急券を2,550円で買っていませんか?
実は、えきねっとチケットレス割引を使い、乗車区間を少し短くするだけで、特急料金を最大710円も安くすることができます。
本記事では、新宿⇔松本および新宿⇔甲府間を特急「あずさ」「かいじ」で移動する人に向けて、特急料金を安くする3つのポイントと2パターンの裏ワザを時刻表で紹介します。
特急料金を安くするポイント
ポイント1:えきねっとチケットレス割引
チケットレス特急券は当日でも予約可能なインターネット予約サービスです。チケットレスサービスにより、全ての特急券が1枚につき100円割引となります。わざわざ駅の券売機に並ばずとも、特急券の購入および変更が簡単にできるので、使い勝手は最高です。
チケットレス特急券の購入には、JR東日本のインターネット予約サービス「えきねっと」会員である必要がありますが、登録費用、年会費は無料なので登録は簡単です。チケットレス割引だけに限らず、購入ごとにJREポイントも貯まるのも嬉しいポイントです。
ポイント2:一部区間で普通列車を利用する
特急料金は距離によって決まります。節約のために新宿から松本までの区間全てを普通列車で移動すれば、特急料金は0円ですが、所要時間がとても長くなってしまいます。特に、高尾~塩尻の区間は普通列車の本数が少なく、単線区間もあるため、利便性と速達性においてとても不利です。
ですが、普通列車を短い区間だけ利用すれば、所要時間の増加を抑えつつ特急料金を節約することができます。例えば、東京方であれば新宿⇔立川・八王子、松本方であれば塩尻⇔松本だけ普通列車を利用すれば、無理なく特急料金を抑えることができます。詳しい例は次の章で紹介します。
ポイント3:特急券の分割購入・チケットレス割引の2回適用
特急券を分割することにより、区間によっては通しで購入するよりも安くなる場合があります。お得になる区間の例として、立川駅(東京都)→塩尻駅(長野県)の乗車を参考にします。
①「立川⇔塩尻1枚」→「立川⇔甲府+甲府⇔塩尻2枚」に分割することで、2,240円→2,040円となり、200円おトクになります。これは、短区間の利用者(100㎞以内)がおトクに利用できる運賃体系となっているため、100㎞以内の両区間を上手に組み合わせることで、特急券を抑えることができます。もちろん、乗車券が手元にある限りは、そのまま同じ列車に乗り続けられます。
②ポイント1で示したチケットレス割引が2回繰り返し適用されるので、さらに100円×2回=200円おトクになります。
これら2つの裏ワザを活用すれば、特急券を400円割引で購入することができます。
「あずさ」新宿⇔松本が安くなる例
通し乗車
新宿⇔松本の全区間を通して特急に乗車した場合、所要時間は159分、チケットレス割引により100円安くなります。
荷物が多いとき、朝ラッシュ、夕ラッシュなど混雑時の利用がオススメです。
なお、ポイント2で解説した特急券の分割購入については、新宿⇔松本区間においては割高になってしまうので、オススメしません。
裏ワザ1:乗り換え2回(立川駅・塩尻駅)
先に解説したポイント1~3の全てを反映したプランです。立川駅(または八王子駅)、塩尻(または上諏訪駅)で特急列車に乗り換えることにより、所要時間は約20分増えますが、最大で720円節約することができます。
乗り継ぎにかかる時間は時間帯によって異なります。また、一部特急列車は塩尻駅に停車しないので、塩尻から新宿寄りの上諏訪駅などで乗り換える必要があります。
ですが、乗り換えの時間は決して無駄な時間ではありません!
立川駅の乗り換えは約7分ありますが、この間に買い物を済ますことができます。ホーム上にはニューデイズがあります。さらにホームから上にあがると、改札内に紀伊國屋、惣菜店、パン屋さん、カフェなどのお店が多数あるので、車内での飲食には困りません!節約した720円でプチ贅沢ができてしまいます。
塩尻駅には、日本一狭い立ち食いそば屋さんがあります。定員は2名ですが、このご時世を踏まえ、なんと1名に制限されています。店は狭いですが、味はよいので行ってみる価値はあります。
また、上諏訪駅で乗り換える場合には、日本唯一駅構内にある足湯に浸かって電車を待つのも良いでしょう。
裏ワザ2:乗り換え1回(八王子駅)
特急券の区間を新宿⇔松本から八王子⇔松本に短縮することにより、所要時間は8分伸びますが、310円安くできます。
八王子⇔新宿は中央線快速(中央特快、青梅特快含む)を利用することになります。速達タイプの中央特快、青梅特快であれば、特急に抜かれることはないので、所要時間は特急乗車時とあまり変わりません。
なので、新宿駅を除く中央線の各駅を経由する場合(例:東京、神田駅で乗換、中野駅から乗車など)は、乗換回数は変わらず、快速列車にそのまま乗り続ける時間が増えるだけなので、あまり不便さは感じないでしょう。
新宿⇔甲府も安くなる
先に述べた裏ワザ2のように、特急券の区間を立川駅(または八王子駅)⇔甲府駅に短縮すれば、所要時間8分の増加で、特急料金を1,580円→920円(チケットレス割引)と660円もコストダウンできます。新宿⇔甲府の利用には特急「あずさ」に加え、停車駅が多いタイプの「かいじ」号も乗車できます。
まとめ
本記事では、中央線特急「あずさ」の特急料金を安くする3つのポイントと2つの裏ワザを紹介しました。
所要時間は多少伸びますが、新宿⇔松本で最大720円、新宿⇔甲府で最大660円も安くすることができます。
途中で乗り換えがありますが、エキナカでお買い物、食事、さらには足湯を楽しめてしまうのも、旅情があって良いのではないでしょうか。
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