扁桃腺摘出手術 診察の流れとお金の話

扁桃炎摘出手術体験記

扁桃腺摘出手術ってどれだけの費用がかかるの?

手術前後の診察内容は?

何回通院するの?

実際に扁桃腺摘出手術を経験した筆者が、手術に至った経緯から手術後完治するまでの受診の流れと、かかった医療費を公開します。

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手術の経緯

 扁桃腺摘出手術をする原因となったのは、わずか4カ月の間に急性扁桃炎を3回繰り返したことです。3回目の扁桃炎で、何度も扁桃炎を繰り返してしまう習慣性扁桃炎であると医者に診断され、手術を勧められました。よくよく考えてみると、ひとたび扁桃腺になれば、完全に回復するまで1週間ほどかかってしまい、これでは有給休暇がいくらあっても足りません。そして何よりも、精神的、身体的、金銭的ダメージが大きすぎます。よって、医者に勧められた通り、手術ができる大学病院への紹介状を書いてもらうことにしました。

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受診内容と医療費

費用一覧

 扁桃腺摘出手術に伴う一連の医療費は約75,000円となりました。ただ、入院費は入院のタイミングと患者の年齢、収入によって大きく異なります。それでは、各診察の内容と費用について解説していきます。

初診(カウンセリング)

 扁桃腺摘出手術を受けるため、県立病院より紹介してもらった大学病院で初診を受けました。内容は、簡単な視診カウンセリングです。これまでの扁桃炎の症状を伝えることで、扁桃腺摘出手術をする必要があるかどうかの判断材料とするのが目的です。私の場合、短期間に急性扁桃炎を繰り返したため、手術は必要だろうと判断されました。手術実施の方向で話が進み、ここで術前検査の日程を決めました。初診の診察時間は10分程度、自己負担額は879円でした。

術前検査、手術日の決定

術前検査では、手術を前提とした精密検査が行われます。検査内容には血液検査、尿検査、心電図、放射線検査などが含まれます。これらの検査の有効期限は3か月で、この期間内に手術を受けなければ、再検査が必要になります。

手術日は、この術前検査のタイミングで決めます。私は希望通り年末年始に予約を取ることができましたが、病床の空き状況は病院によって異なるため、事前に候補日を絞っておくことが重要です。私が受診した病院では、1ヶ月先程度であれば空きがあるとのことでした。

私の場合、検査の有効期限ギリギリに手術日を設定しました(10月5日検査→12月21日手術)。手術日を早めに設定することで、医者の予定が空いており、日程調整がしやすくなるメリットがあります。

しかし、デメリットも存在します。予定変更が難しく、再検査の可能性が高まります。例えば、手術の2週間前に扁桃炎を発症すると、手術が延期されるリスクがあります。

退院後は、少なくとも3日間は仕事などの予定を入れない方が良いでしょう。入院から退院後、日常生活に戻るまでには約2週間かかると説明されました。私の場合、退院後2~3日間はフルに活動することができませんでした。

この日の検査と診察には約3時間かかり、検査代は5,340円でした。

手術入院

手術入院による領収書

 手術前日(12月21日)に入院し、12月31日の退院まで合計11日間入院した結果、患者負担額が69,100円となりました。医療費は通常3割負担ですが、入院にかかる費用はあまりにも高額になるため、高額療養費制度により1ヶ月あたりの医療費に上限が設定されます。

 例えば私の場合、総医療費は535,650円なので、その3割負担は160,695円となりますが、高額療養費制度の適用によって(1ヶ月あたりの入院費用上限額 57,600円)+(食費1回あたりの上限460円×25回)=合計69,100円の負担で収まりました。ただし、この上限額は年齢や所得によって異なります。

 なお、高額療養費制度による上限額は、翌月にまたがってしまうとリセットされてしまいます。私はラッキーなことに、12月21日に入院、12月31日ギリギリで退院したので、一ヶ月あたりの入院費用上限額に収まりました。ですが、退院が翌月にまたがってしまうと、57,600円より多く支払うことになり、最大で限度額相当を2ヶ月分払うことになります。

 では、もし入院が月をまたいだ場合には、どれだけ医療費が増えてしまうのでしょうか? 医療費算出方法には、出来高払いとDPC方式による算出方法の2種類がありますが、私が入院した病院では、DPC(包括評価制度)により算出しておりました。次にDPCについて解説します。

DPC(包括評価制度)とは

引用元:金沢循環器病院HP

 DPCとは病名や診療内容に応じて定められた1日当たりの定額の点数で入院診療費を計算する新しい方式のことです。

 従来方式の出来高払いは、実際に投与した薬の量、検査によって医療費が算定されておりました。

 一方、DPCによる計算方式では、病名や手術・処置などの内容に応じた1日当たりの定額の医療費を基本として全体の計算を行います。明細書には「包括診療:345910点」とありますが、これは扁桃腺摘出手術に対して、一日当たりに決められた定額の診療費があり、11日間入院した結果、345910点が請求されたというものです。

 この辺の算出方法については、あらかじめ医者か事務に相談すると良いでしょう。例えば、もし12月26日に入院する場合、退院は1月5日前後になるので、12月に支払うであろう金額(手術の出来高が効果なので、必ず限度額が適用になると思います)と1月に支払うであろう金額について見積もりを出してもらうと良いでしょう。

 一日当たりの医療費の算出方法は私もよく分かりませんが、私の場合、11日間の入院に対して包括診療費は345910点だったので、約31500点/1日程度という計算になります。よって、私の限度額区分(上限57,600円)においては、入院が翌月に2日以上にまたがれば、限度額適用になってしまうのではないかと考えられます。(57600点÷31500点/日=1.83日)いずれにせよ、入院が月の前後にまたがると、最大で1カ月の限度額の2倍を支払うことになります。以上のことから、月をまたがないよう入院期間を調整することは重要です。

高額療養費制度とは

 高額療養費制度の説明について厚生労働省の資料を引用させていただきます。(引用元:https://www.mhlw.go.jp/content/000333279.pdf)

限度額適用認定証とは

 高額療養費制度では患者が請求された医療費の全額を窓口で支払い、後で自己負担限度額を超えた分が払い戻しされます。申請は不要です。通常は診療月から3ヶ月後に支給されます。しかしこの場合、多額の現金を手元に用意する必要があります。

 「限度額適用認定証」を病院、薬局などの窓口で提示すると、入院や外来診療、調剤薬局等の窓口での支払上限額が、法定自己負担限度額となります。なお、限度額適用認定証は、事前に自身が加入している健康保険組合より交付してもらう必要があります。

引用元:https://www.kenpo.gr.jp/kubota/contents/sikumi/kyufu/kougaku/kougaku_jizen.html

限度額適用認定証使用の流れ
①自身が加入している健康保険組合に申請する。
②健康保険組合により、所得区分を認定し、限度額適用認定証の交付を受ける。
③交付された限度額適用認定証を医療機関等に提示する。

申請から交付までの期間は1~2週間程度です。事前に入院が決まっている場合は、余裕を持って交付を受けましょう。

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再診(術後3週間)

 術後3週間、退院後10日が経過し、再診を受けました。診察内容は簡単な視診です。

 診察の結果、喉のかさぶたが2~3割残っているとのことなので、さらに3週間後に再度診察を受けることになりました。多くの場合、手術後3週間すればかさぶたは完全に剝がれます。ですが、私のように術後の炎症が激しかった場合は、術後3週間経ってもかさぶたは剝がれ切りません。医者曰く、4割程度の患者は術後3週間時点で創部が完治しないそうです。 

 この日の診察料は220円でした。安いので助かります。

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終診(術後6週間)

 術後6週間、退院後1カ月が経過し、再再診です。今回も簡単な視診です。

 無事に喉のかさぶたは剝がれ切り、炎症もなくなっているとのことで、これで全て終了です。たしかに術後3週間時点ではかさぶたが残っていましたが、術後1カ月時点で剝がれ切ったように思います。

 今回の診察料はなんと0円でした。

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まとめ

 本記事では、扁桃腺摘出手術を行うに至った経緯から手術、退院までの受診内容と医療費について解説しました。

 私の場合、入院を含めて5回通院し、合計約75,000円の医療費を支払いました。退院後の回復が早ければ、術後の診察を一回で済ますことができるでしょう。

 入院費を抑えるコツは月をまたいで入院しないことです。これは医療費の限度額が月ごとに適用されるからです。入院費(自己負担額)の見積もりは難しいので、詳しくは病院に聞くといいでしょう。

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