【検証】特急あずさ・かいじ号 E353系グリーン車の利用価値について考える!普通車との徹底比較

特急列車
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グリーン車の利用価値とは?

皆さんはどんな時にグリーン車に乗りたいと思いますか?

「自分へご褒美したいとき」「優雅に移動したいとき」「お金が余って仕方ない(笑)」「普通車が混雑しているから仕方なく乗る」といったところでしょうか。

一般的にグリーン車は普通車よりも料金が高い分、より快適な移動空間を享受できます。中央線を走るE353系特急あずさ・かいじ号の9号車にもグリーン車が設定されています。

2017年にデビューしたE353系は最新技術が多く取り入れられており、快適に過ごせる工夫がいたるところにあります。そんなE353系は、グリーン車のみならず普通車のクオリティもかなり高く仕上がってしまいました。

普通車でさえ十分快適なE353系ですが、わざわざプラスのお金を払ってまでグリーン車に乗る価値があるのでしょうか?普通車とグリーン車の設備を比較しつつ、グリーン車の利用価値について徹底検証します!

(E353系普通車をべた褒めした記事はこちらから)

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普通車・グリーン車共通事項

エクステリアデザイン

JR東日本長野支社プレスリリースより(https://www.jreast.co.jp/nagano/pdf/171026.pdf)

E353系の車体正面は、ブラックの貫通扉の両脇の縦に並ぶライトと紫のラインがアクセントとなっており、運転台が高い位置に配置されているのが特徴です。

カラーデザインは、前面中央のグレーは「キャッスルグレー」と言って、松本城の青みがかった漆黒を表現、紫のラインは先代の「スーパーあずさ」E351系から継承された「バイオレット」となっています。引き締まった顔付きで、速そうでカッコイイですね!

全車フルアクティブサスペンション搭載により乗り心地向上

E353系は特急列車としては珍しく、普通車も含めた全車にフルアクティブサスペンションが搭載されています。フルアクティブサスペンションとは、油圧や空気圧などのエネルギーにより車体の揺れを打ち消す装置のことです。より簡易的な機構であるセミアクティブサスペンションを特急列車に用いることでさえ稀であるにもかかわらず、フルアクティブサスペンションを搭載することは乗り心地の向上に力を入れていることがうかがえます。

また、カーブ通過時は、空気バネを用いた車体傾斜装置により1.5度傾けて走行しています。振り子式のE351系の傾斜角度は5度だったが、カーブ通過速度は同等です。E351系は、飛行機が旋回するときの様に大きく傾けて走行していたが、E353系ではその傾きを感じることはありません。

無料Wi-Fi完備

全車両に無料Wi-Fiが完備されています。通信環境は概ね良好で、調子が良ければYouTubeを見ることもできます。

全席コンセント装備

普通車・グリーン車ともに全席コンセントが装備されています。普通車にも完備されているとは、今の時代らしいですね。

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E353系グリーン車について

インテリアデザイン

グリーン車

グリーン車の内装は、「機能性と高揚感、クラス感」をコンセプトとした、モダンでシンプルだが上質、機能的な鮮やかさを表現しています。

色の配置は、上品で高揚感を感じさせるようなレッドと重厚感のあるブラックを基調としています。車両の通路と天井の中央部分には、上品な赤色の帯があしらわれており、まるでレッドカーペットの上を歩いているようです。

普通車

普通車の内装は「南アルプスと梓川のきよらかさ」をコンセプトとしており、シンプル、清涼、透明感を表現しております。座席上面の色は淡いブルーとなっており、清々しい印象を受けます。座面のグレーは、車内の雰囲気を引き締めてくれています。

グリーン車は高級感、普通車はクール感を演出しています。どちらもコンセプトは違えど、カッコイイですね。

座席

普通車と同じく可動式枕が装備されております。グリーン車の方が座席が大きい分枕も大きいです。頭の高さにある目隠しの出っ張りもグリーン車の方が大きく、プライベート感があります。

グリーン車なのに普通車と同じ4列配置だけど狭くないか?

3列グリーン車VS4列グリーン車

E353系グリーン車の席配置は普通車と同じ4列配置です。せっかくグリーン車に乗っても、座席の大きさが変わらないのではないか?という意見もあろうかと思います。

実際のところ、グリーン車の座席は横幅が少し広く、その分通路部分が若干狭くなっています。座席前後の間隔(シートピッチ)も960㎜→1160㎜に広くなっています。

JR他社の在来線特急列車には3列配置のグリーン車もありますが、実のところ、座席の横幅は4列配置とあまり変わりません。3列配置のグリーン車は通路の幅が広いのと、2人席の間のひじ掛け部が広いので、隣りに知らない人が座ってきても、気にすることなくひじ掛けを使うことができるのがメリットです。

座席数が少なすぎないか?

土休日は埋まりやすい

正直、座席数は少ないです。12両運行時の定員が674名に対して、グリーン車のある9号車は30名と、かなりこじんまりしています。2人席を1人で利用すれば、実質定員は16名みたいなものです。通常期でも、他人同士が隣りになることは無いものの、窓側席は結構埋まりやすいイメージです。少なくとも、普通車よりは混雑している印象です。

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評価

快適性について

座り心地については十分快適と言えます。普通車と同じ4列配置ですが、少し広くなっているのでその分快適性もアップしています。これ以上横幅が広くても体勢がフィットしないので、座席幅については十分といったところです。

隣りに人が座らなければ狭さを感じることはありません。むしろ隣りに席がある方が、上着やカバンを置けるから使い勝手はいいです。(1人席だと手荷物の置き場に困る)ただやはり、2人席のひじ掛けは頼りないので、隣りに人が来ると快適性は落ちてしまいます。

先に述べたように座席の絶対数が少ないため、グリーン車車内は混雑しやすい傾向にあります。車内も狭いので解放感があるとは言えません。

コストパフォーマンスについて

E353系を用いた特急(あずさ・かいじ・富士回遊・おうめ・はちおうじ)は料金体系が独特であり、少々安い傾向にあります。比較対象に、名古屋駅と長野駅を結ぶ特急「しなの」を例にとります。

ポイント①「しなのに比べておトク」
特急しなのに比べ、全ての価格帯で400円~810円安く設定されています。これは、普通車指定席に対するグリーン車への加算料金は同じであるものの、そもそもあずさ号の普通車指定席の料金が安いためです。

ポイント②「200㎞を超えると一気に高くなる」
表のとおり、特急料金は50㎞、100㎞、150㎞、200㎞を節目として順に高くなっていきますが、200㎞を超える時に大幅に高くなります。例えば、新宿~松本間(225㎞)は6210円、新宿から1つ隣の停車駅である立川~松本間(197㎞)は4510円と、1700円も差があります。

ポイント③「比較的近距離(~100kmもしくは~200㎞)の利用がおトク」
近距離に対してはグリーン料金が低めに設定されています。新宿~上諏訪、立川~松本など、200㎞をギリギリ超えない区間であれば、利用価値が高いと言えます。この料金体系を活かして、特急を乗降する駅を少しだけずらすことで、特急料金を大幅に節約することも可能です。

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まとめ

本記事では、E353系グリーン車の利用価値について、車内設備・料金の観点から徹底評価しました。私個人的な考え方も交え、結論とします。

近距離(0~200km)は利用価値あり。それ以上は普通車料金と大きく差が開いてしまうので、あまりおトクとは言えません。

・グリーン車座席は十分快適であるが、グリーン車座席は普通車と同じ4列配置であり、普通車にも無料Wi-Fi、コンセントなどの設備が充実していることから、居住性に大きな差が見られません。

・座席数が少ないことから、混雑時のグリーン車の利用価値は低く、若干空いている普通車に乗った方がコスパがいいと言えます。

▼全国の在来線特急グリーン車について紹介した記事はこちら。

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