【最新型N700S】乗って感じるN700系との違い

新幹線

 JR東海が2020年7月に東海道・山陽新幹線に導入した最新型新幹線N700S。2007年に導入されたN700系以来、13年ぶりのフルモデルチェンジとなる。N700Sの「S」は”Supreme”(和訳:最高の)を意味する。JR東海の超自信作である。

 そんな最新型N700Sには、外観デザインの変化だけでなく、快適に過ごせる工夫も随所に見られます。本記事では「外観」「車内設備」「快適性」の観点で、最新型N700Sと従来型N700系(N700A,N700a)を徹底比較します。この記事を読めば、最新型N700Sに乗ってみたくなること間違いなし!

※本記事で掲載している画像の一部は、JR東海HPより引用しております。
N700Sのデザインについて (jr-central.co.jp)
快適性・利便性の向上 (jr-central.co.jp)

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外観

先頭形状

 最新型N700Sの先頭形状は、「デュアルスプリームウィング型」と言います。従来型N700系の「エアロダブルウィング型」に比べて、左右両サイドにエッジを立てた形状になっています。この形状の違いは、N700系とN700Sを横並びにして近くで見れば、ようやくわかる程度なので、遠目で判断するのは難しいかもしれません。

 遠くからでも見分けやすいポイントとしては、先頭部に一本追加された青帯です。側面から見たときに、”Supreme”のSが表現されています。

側面ロゴマーク

(左上)N700a
N700系の中でも前半に増備された編成です。文字の中にN700系が描かれているのが特徴です。”N700スモールエー”と呼ばれています。

(左下)N700A
N700系のうち、後半に増備された編成です。Aのアルファベットが大きく描かれていることから、“N700ラージエー”と呼ばれています。

(右)N700S
N700a,N700Aのロゴマークが青色であるのに対し、N700Sはゴールドでかかれており、高級感があります。

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車内設備

大きくなった列車案内表示

 従来のLED表示器は、表示される情報が限定的であったのに対し、N700Sでは、大型の液晶ディスプレイが採用され、より鮮明に情報が表示されるようになりました。表示される情報量も増えたため、現在地と目的地、ドアが開く方向が分かりやすくなります。

明るくなる荷棚

 N700Sは、駅停車前になると荷棚を照らす調光機能が設けられました。駅到着前のチャイムが鳴る数秒前に荷棚が明るくなります。これにより、荷棚に注意が向き、手荷物の置き忘れを防止する効果があるそうです。

 駅停車前に照明が明るくなると、降りない人にとっては、鬱陶しいと感じるかもしれませんが、私個人的には車内が多少明るくなることはあまり気になりません。むしろ、降車前に人がバタバタと移動する音の方が気になります。

温水洗浄機能付きトイレ

 N700Sの洋式トイレには、温水便座の機能が搭載されています。なお、この機能はN700aには無く、N700Aにはあります。乗車前後に混雑する駅のトイレに並ばなくても、車内で安心してトイレを利用できます。長時間の乗車にはありがたい機能です。

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普通車座席

普通車でも全席モバイルコンセント搭載

 従来型N700系のコンセントは、グリーン車には全席搭載されていたものの、普通車は窓側席と車両の両端にしかありませんでした。長時間の移動においてスマホやPCの充電ができないのは、不便に感じていたのではないのでしょうか?

 N700Sにはひじ掛け部分に全席コンセントが搭載されているので、通路側の席が取れなくても、必ず充電ができます。私個人的に、これは最もうれしい進化であると感じています!

ペットボトルが干渉しない窓

 従来のN700系は窓横のテーブルにペットボトルやコップを置いた状態でカーテンを閉めようとすると、カーテンとペットボトルが干渉してしまう構造でした。かといって、ドリンクホルダーもないため、飲み物の置き場所に困ったことがあるのではないでしょうか?

 N700Sでは、ドリンクホルダーは追加されなかったものの、カーテンを閉めてもペットボトルが干渉しない構造となりました。これなら、コーヒーや缶ビールなど、フタができない飲み物も安心して置くことができます!地味ながらも素晴らしい改善です!

深くなったリクライニング

 N700Sでは背もたれと座面が連動して動くリクライニング機構を採用しております。従来よりリクライニング角度が深くなり、倒したときに体全体が包み込まれるような座り心地となります。はじめて倒したときには「こんなに深く倒れちゃうの?」と驚いたのを覚えています。

 リクライニング角度が深くなったことは喜ばしいですが、フルに倒したとき、斜め後ろの席の人から寝顔を見られてしまうのは少し気になるところです。

 硬い座席については好みが別れるところです。特に背中の部分のクッションが少ないと感じました。座席が硬いと姿勢が崩れにくいため、長時間座っていても疲れにくいから好きな人もいれば、柔らかい方が座席に体が沈み込み、リラックスしやすいという人もいます。 最近の傾向として、N700a(~2012年増備)→N700A(2012年~2020年増備)→N700S(2020年~)になるにつれ、座席のクッションが少なくなり、座り心地が硬くなっているように感じます。

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グリーン車座席

リクライニング機構の改良

 グリーン車座席にも新方式のリクライニング機構が採用されました。腰への負担が少なく、とても上質な座り心地です。

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乗り心地

静かになった

 従来のN700Aも大変静粛性に優れていましたが、N700Sは空気抵抗の少ない前面形状、新型駆動装置の採用、台車の改良などによって高速走行時の静粛性をより向上させています。

 特に高速走行時の惰行音が小さくなりました。惰行とは、車でいうところのアクセルをオフにした状態です。惰行に対してアクセルを踏んでいる状態を力行(りっこう)といいますが、力行時はモーターが周波数の高い音を出している状態です。力行時のモーター音はさほど大きくなく、どちらかと言えば風切り音の方が大きくなります。力行が終わって惰行に移ると、モーター音は周波数の低い「ゴォーーー」という音を出します。N700系で目立った「ゴォーーー」という大きな音が、N700Sではかなり低減されているように感じます。

 走行音が静かになれば、デッキで通話する際も声が聞き取りやすくなるので、ビジネスマンにとっては嬉しい進化です。

揺れにくくなった

 高速走行する新幹線車両には、台車に「サスペンション」を設置することにより、走行時の揺れを打ち消し、乗り心地の向上を図っています。

 従来型N700系の場合、グリーン車には制振効果がより高いフルアクティブサスペンションを、普通車にはセミアクティブサスペンションを設置しています。セミアクティブサスペンションを搭載している車両の内、編成の両端である1号車、16号車、そしてパンタグラフがある5号車、12号車は、他の車両より揺れが大きくなるという問題がありました。

 最新型N700Sは、高性能なフルアクティブサスペンションを、グリーン車に加え、普通車の中でも特に揺れやすい1,5,12,16号車に新たに採用しました。これにより、編成全体で乗り心地が大きく改善しました。さらに、台車やサスペンションの性能向上のおかげか、高速走行時の揺れがN700系に比べて確実に小さくなりました。

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まとめ

 本記事では、N700系と最新型N700Sの外観、車内設備、快適性について比較を行いました。パッと見ただけでは、N700Sの進化に気づきにくいかもしれませんが、より快適に過ごせるような工夫が随所に施されています。

N700Sに乗るには?

 N700Sはまだまだ少数派ではありますが、狙って乗車する方法があるので、以下の記事を参考にしてみてください!

グリーン車に安く乗るには?

 N700Sのグリーン車に乗ってみたいけど、通常運賃では高くて乗れない!そんな方は以下の記事を参考にしてみてください!

コメント

  1. […] 【最新型N700S】乗って感じるN700系との違いJR東海が2020年7月に東海道・山陽… […]

  2. こば より:

    私はいつも前方座席を利用しますが、台車上の座席は微振動、横揺れが大きくなったと思います。これは北陸新幹線の台車でも同じで、北陸新幹線は特に長野あたりの登りでよく感じます。

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